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いよいよ来月から開催される「福井しあわせ元気国体」。その開会式に使われる式典音楽や入場行進のBGM等の生演奏部隊、全員そろっての初の合同練習が、去る8月18日(土)、本番と同じ福井運動公園で行われました。我等が武生高校合唱部もその一翼を担います。取材しました。
JR武生駅前に朝7時頃集合。今日は早朝から終日の長丁場です。心を込めて全県をあげての一大事業。高校生と言えど、県内各所にバス配車手配、お弁当支給という「あご足付き」。
吹奏楽隊は、武生商業高校、北陸高校、県警察音楽隊の合同チーム約200名。
合唱隊は、大会に向け募られた一般有志約130名に、高志高校、羽水高校、鯖江高校、丹生高校、武生東高校、仁愛女子高校、そして我等が武生高校の各合唱部、計約70名の、合わせて約200名。
総勢約400名の大所帯です。
メイン会場となる福井県営陸上競技場。桐生選手の日本記録達成以来、「9.98スタジアム」の愛称に。
音楽練習の傍ら、朝早くから構内各所で慌ただしく資材搬入等が行われています。
先ずは吹奏楽隊、合唱隊それぞれで初の合わせ練習。吹奏楽隊は本番と同じ県営陸上競技場バックストレート上で、合唱隊は隣接する県営体育館内で。
記者は、合唱経験者(武高在学時は合唱部元部長)なので分かりますが、コンクールや演奏会でもないのに「難曲」が多い! あ、ちなみに現・音楽担当教諭、合唱部顧問の宇野先生、記者と同じ部活だったんですよ~。
最前列で頑張る武高ソプラノ勢。見るからに頼りがいがあります。
こちらはバスとアルト。
アルトは県内のコンクール常勝軍団・仁愛さんに囲まれて孤軍奮闘。きっと良い刺激をもらえるでしょう。(朝の練習開始前と昼休みの空き時間、会場の隅っこで仁愛さんだけが合唱部の自主練をしていました。さすがです。)
さてバスは・・・。
現在、県内どこの合唱部も男声不足に悩まされ、高校合唱部の男声は「絶滅危惧種」扱いされています。見る限りただ一人の高校生、実は彼、武生高校に入って合唱を初めたばかりの初心者一年生。しかしどうやら薄々、自分がパートを引っぱらないといけないのに近い立場にいることに気付いてきたよう。大丈夫、君ならできる!
抜け出して、吹奏楽隊のみの合わせ練習を偵察。実は記者、ちょうど設置中だった「聖火台」を「見ぃ~ちゃった!」んだけど、さすがに今、Web上に出すのはNGでしょ。ぼかしときます。
そして吹奏楽隊と合唱隊の合わせ練習へ。数百メートルの集団大移動。
そ、そこ。桐生選手が記録を出したグラウンドですよ。感慨深く踏みしめてる?
続々、登壇。会場の工事と音楽練習を同時進行なのが見て取れます。練習の邪魔とはならず、逆に、「いよいよ・・・」との高揚感が増すような気がしました。
さて、この時、誰もが一瞬にして今日の危険を予感しました。
この日の天気、蒸し暑くはないのですが、日差しが異常に強い。じりじりと肌を焦がす、暑さというより熱さ!
観客席に屋根がなく、全体が平べったい構造の陸上競技場、しかも時間帯は太陽の角度が高い昼頃、そう、日陰がまったくないのです。休憩中でも、陽は当たりっぱなし。
吹奏楽隊を見て下さい。木管楽器は、陽を遮らないと、本体が熱で伸びて「割れる」んだそうです。クラリネット1本、ウン十万がパーとか。吹奏楽隊はここに朝から3時間半ほど、たいへんです。
屋外練習開始。ソプラノ・テノール(写真上)、バス・アルト(写真下)とも、気力を振り絞って頑張りますが、戸惑い気味?
これだけの大編成となると、隊列の端から端まで約60メートル。音が伝わるのに時間がかかるため、他のパートを聞いて合わせる、ということができません。指揮だけがたより。吹奏楽隊には、周りの音より手元の電気のチューナーを信じろ、という、日頃はあり得ない指示が出ていました。他パートの音を聞いて気持ちを合わせよ、と、普段、耳が痛くなるほど聞かされているおそらく全員にとって、多分、初めての感覚。慣れるまでしばしかかります。
主催者側も熱中症には最大限の配慮をしていました。練習場所すぐ裏に給水・待避所設置、看護師待機、塩飴無料配布。
練習に熱が入るのと相まって、暑さピークに。表情でわかるでしょ。水に濡らす首巻きタオルも、全員に配布。
練習の目の前では、並行して様々な会場準備も急ピッチで進められていました。
- こちらは入場行進用のいわゆる「バミリ」。
隊列の「動き」をシミュレートして膨大な指示通りに貼るのはたいへん。正しく作業を進めているのか分からなくなり考え込むことも。
両陛下のお席でしょうか?ここだけは屋根が作られています。
急ピッチで設置中の仮設の観客席。
裏はこんな感じ。後ろの人は高所恐怖症だと結構怖いのでは?
午前中の練習が終わりようやく涼しい体育館内へ。全員を採寸して作った本番で着用するユニフォームを支給。
合同練習会に昼が来た!先日、「武高PTAだより」でお昼ごはん特集をした広報部。やっぱり美味しい・楽しい、「無料!」のお弁当。まだ戻って来ていない2年生の先輩(後はそのため取り置きしたお弁当)を気にせず、あっと言う間にほぼ食べ終わっている元気な1年生。歌う生徒は腹が減る!
一応、撮影してしまうのは広報部の性。
さすがに屋内に避難となりましたが、午後も、(ホントに)厳しい練習が延々と続きます。
午後、音楽の屋内練習の傍ら、メイン会場の陸上競技場では、やはり灼熱地獄の下、プラカード隊の行進練習が行われていました。本番で演奏する曲のCDを何回も何回もかけ、誰が、曲のどこからどこまでの間に、どこからどこまで移動すればよいか、インストラクターがそのペースを身体に刻み込ませています。これはこれで、気が遠くなるような緻密で膨大な作業です。
運動公園内は、大きなイベントの前、独特の緊張感に満ち溢れていて、「さあ、これからだ!」という「空気の気概?」に引きずり込まれそうになりました。これらの目立たず地道な準備は、武高生を含む多くの人の無私の努力により支えられています。もちろん、選手として出場する武高生・卒業生にも頑張って欲しい。PTAも、少しでも力になれれば。
「武高PTAだより」次号では、学校祭と、国体にたずさわる武高関係者を特集します。お楽しみに。
それにしても、肌が痛い。記者は、額と鼻の頭の皮がむけむけです。建物の陰に逃げられた私は、正味、たった1時間、外にいただけで、ですよ!
合唱部のみんな、大丈夫だったかい? 何っ、若いから・・・!?